技術コラム

化粧品・医薬部外品・雑貨の違いと法規制について

当社では、「化粧品」「医薬部外品」の製造を行っております。

こうした分類は製品の使用目的や使用方法、効能・効果などにより分けられているのをご存知でしょうか。

製造や販売にあたってはそれぞれの分類によって、法規制に違いがあるので注意が必要です。

 

今回は、化粧品・医薬部外品・雑貨の違いと法規制について解説していきます。

化粧品・医薬部外品・雑貨の違いと法規制

初めに当社では取り扱いが出来ない「医薬品」についてもふれておきます。

医薬品は、端的に言えば薬のことで、病気の治療または予防、身体の構造または機能に影響を及ぼす目的で使用されるものになります。

「医薬品」「化粧品」「医薬部外品」の取り扱いは薬機法という法律で定められており、製造するにはそれぞれ製造業許可が必要となります。

「雑貨」は法律上の規制がなく、製造に際し特に許可が必要ありません。

化粧品とは

化粧品について薬機法では次のように定義されています。

人体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

化粧品は人体に使用するもので、効果効能の緩和なものでいかなる改善効果をもたらしてはならないと決められています。

そのため、効果効能の表現は決められた範囲に制限されています。

(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。

(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。

(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。

(4) 毛髪にはり、こしを与える。

(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。

(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。

(7) 毛髪をしなやかにする。

(8) クシどおりをよくする。

(9) 毛髪のつやを保つ。

(10) 毛髪につやを与える。

(11) フケ、カユミがとれる。

(12) フケ、カユミを抑える。

(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。

(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。

(15) 髪型を整え、保持する。

(16) 毛髪の帯電を防止する。

(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。

(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。

(19) 肌を整える。

(20) 肌のキメを整える。

(21) 皮膚をすこやかに保つ。

(22) 肌荒れを防ぐ。

(23) 肌をひきしめる。

(24) 皮膚にうるおいを与える。

(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。

(26) 皮膚の柔軟性を保つ。

(27) 皮膚を保護する。

(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。

(29) 肌を柔らげる。

(30) 肌にはりを与える。

(31) 肌にツヤを与える。

(32) 肌を滑らかにする。

(33) ひげを剃りやすくする。

(34) ひげそり後の肌を整える。

(35) あせもを防ぐ(打粉)。

(36) 日やけを防ぐ。

(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。

(38) 芳香を与える。

(39) 爪を保護する。

(40) 爪をすこやかに保つ。

(41) 爪にうるおいを与える。

(42) 口唇の荒れを防ぐ。

(43) 口唇のキメを整える。

(44) 口唇にうるおいを与える。

(45) 口唇をすこやかにする。

(46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。

(47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。

(48) 口唇を滑らかにする。

(49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(52) 口中を浄化する(歯みがき類)。

(53) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。

(54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。

注1) 例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。

注2) 「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。

注3) ( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

引用:化粧品の効能の範囲について

化粧品で謳える効能の範囲について、薬機法で上記56項目の範囲かつ、当該製品に該当する効能の範囲であること、と定められています。

医薬部外品とは

医薬部外品について薬機法では次のように定義されています。

次に掲げる物であって人体に対する作用が緩和なものをいう。

1. 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(以下略)であつて機械器具等でないもの

イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
2.人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(以下略)であつて機械器具等でないもの

3.前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(以下略)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

主に予防を目的にしたもので、医薬品ほど作用が強くないものになります。

厚生労働省が認めた効果・効能に有効な成分が一定の濃度で配合され、予防や衛生を目的に作られています。

「薬用」は「医薬部外品」で認められている表示なので「薬用化粧品」は医薬部外品の一つになります。

効果・効能でみると医薬品と化粧品の中間になりますが、薬用という表記や具体的な効果効能を謳う事が許されています。

雑貨(雑品)とは

雑貨とは、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」に属さないものになります。主な特徴としては顔や肌など人体に使用しないもの。

逆にいうと、人体に使用し人体に作用する目的のあるものは雑貨として販売する事が出来ません。

ただし、ソックタッチや入浴剤でも浴槽の香りや色を楽しむといった、人体に作用する目的ではないものは雑貨扱いになります。

 

当然、人体に対する効果効能を謳うことは出来ませんが、化粧品や医薬部外品のように届け出や承認が不要で、製造することが可能です。

 

このように商品の使用目的、使用方法、効果・効能により分類が分かれ、法規制が変わってくるので、広告表現の仕方など注意しましょう。

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